輪舞曲。

この世はロンド。
誰が始めたかもわからないロンド。
主人公なんていなくて、
ひとりひとりがそれぞれの世界で主役。
　
いつでも同じ調じゃない。
同じテンポでもない。
いつ、どう変わるかは指揮者しか知らない。
踊り手を無視したロンド。
　
それでも、踊り続けるんだ。
　
聴こえなくなっても、
見えなくなっても、
歌えなくなっても、
足が動かなくなっても。
　
踊れる力がまだ少しでもあるのなら。
　
そうじゃないと、スポットライトどころか、ステージの薄い照明だって当たらないから。
暗い闇の中にはいられない。
　
この世はロンド。
終わりの見えないロンド。
主人公なんていなくて、
ひとりひとりがそれぞれの世界で主役。